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生活習慣病

生活習慣病について

「生活習慣病」という言葉は最近ではすっかりおなじみとなりました。
我々医療従事者の言う生活習慣病とは、高血圧症、糖尿病、高脂血症の3つを指していますが、生活習慣病管理料指導料という名目で診療報酬に掲げられているのです。
患者さんにとって見れば生活習慣が悪いためにその結果として、このような疾患にかかってしまったととれなくもない非常にあいまいな疾患名です。この病名は日本でしか通用しない保健病名とさえ言えるのです。
以前使用されていた「成人病」が消え去って突如として一人歩きした感じです。

最初にこの言葉を使われたのは日野原重明先生だと思います。
わたしは今から30年近く前の日野原先生の回診のことを今でも昨日の事のように思い出します。
日野原先生はオスラーを尊敬されており、内科全般の知識は言うに及ばず、精神的な背景にも洞察力があり、人間的にも非の打ち所のない神様のような先生でした。

心不全の女性の患者さんがアパートの4階に住んでおり、いかに病歴の聴取で生活環境を聞き取ることが大事かという話になりこの患者さんはいかなるお薬よりアパートの4階をエレベータなしに生活しているというところに問題がある・・・という結論に至り生活習慣がいかに病気つまり心不全の原因になっているかということをわかりやすく解説されました。

日野原先生はPOMR(Problem Oriented Medical Record)の推進者でもありましたのでPOSシステムの大切さについても指導をうけました。

話は生活習慣病に戻りますが悪い生活習慣が病気を引き起こすならアルコール中毒の飲酒、慢性肺気腫の喫煙、のような例がわかりやすいと思いますが、塩分の取りすぎが高血圧症、甘いものの取りすぎが糖尿病、脂肪分の取りすぎが高脂血症、と皆が全員こうなるわけではないので話がややこしくなります。

最近よく耳にするメタボリック症候群は太りすぎ「内臓脂肪」が根底にありこれがなんと高血圧、糖尿病、高脂血症などとすべてに関係することをわが日本の松澤先生がアディポネクチンなる物質を発見して明快に説明しましたが、やせたひとは生活習慣病にならないかというと決してそうではないのです。

我々平成の日本人は数万年近く飢餓との戦いに勝利した末裔ですが、現代日本のいまだかつてない飽食に対しては、遺伝子レベルで対応不能に落ちいってしまい世界的にみても糖尿病、高脂血症の有病率は世界の上位に躍り出てしまいました。同じような問題は中国、台湾、韓国などでも起きています。

「身体髪膚之を父母に受く、敢て毀傷せざるは考の始めなり」というような論語の教えにもあるように、現代のような理に反した生活が知らず知らず我々の体をむしばんでいるというふうに、とらえるべきでしょう。

この問題に関しては、生活習慣病のなにが恐ろしいのかを学び、問題点を把握することにより解決法が導き出せると思います。

未病の段階で治療を行う事が重要です。皆さん医者をうまく利用してこの戦いに勝利しましょう。